冷凍倉庫の温度は何度?温度帯の区分や冷蔵倉庫との違いを解説

「冷凍商品を保管したいが、冷凍倉庫は何度に設定されているのか」「冷蔵倉庫との違いや、自社の商品に合う温度帯が分からない」と悩んでいませんか。冷凍倉庫では、保管する商品の特性に応じた温度管理が必要なため、「冷凍対応」という名称だけで委託先を選ぶのは適切ではありません。

2024年4月には冷蔵倉庫の温度帯区分が見直され、F1級の上限側の境界は従来の-20℃から-18℃へ変更されました。さらに低い温度帯も細分化され、現在はSF1~SF4級が設けられています。冷凍品の保管を委託する際は、対応温度だけでなく、入出庫時や保管中の管理体制も見ておくことが大切です。

この記事では、冷凍倉庫の温度の目安や現在の温度区分、冷蔵倉庫との違い、保管される主な食品、委託先を選ぶ際のポイントを解説します。食品などの冷凍保管先を探している企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。

冷凍倉庫の温度は-18℃以下が目安

一般に「冷凍倉庫」と呼ばれる施設では、-18℃以下が温度帯の一つの目安になります。現在の冷蔵倉庫の温度帯区分では、-18℃以下がF級の領域に入り、さらに低い温度になるとSF級に区分されます。

2024年4月の改正では、冷蔵倉庫で保管する品目に応じて、より適切な温度を設定しやすくするために区分が見直されました。旧区分で-20℃だったC1級とF1級の境界は-18℃へ変更され、低い温度帯も細分化されています。過度な冷却による品質への影響を抑えるほか、エネルギーコストや環境負荷を軽減することも見直しの目的です。

なお、日本冷凍食品協会では、冷凍食品の品質を保つために品温を-18℃以下に維持する基準を設けています。一方、日本の食品衛生上、冷凍食品の保存基準は-15℃以下です。そのため、「冷凍食品は法律上すべて-18℃以下でなければならない」という意味ではありません。

実際の保管では、商品表示や製造者が定める保存条件を優先する必要があります。冷凍倉庫を選ぶ際も、単に-18℃以下かどうかを見るのではなく、自社の商品に必要な温度へ安定して対応できるかを基準に考えることが重要です。

2024年改正後のF級・SF級の温度区分

2024年4月の見直し後、冷蔵倉庫の温度帯はC1~C3級、F1~F3級、SF1~SF4級に分けられています。このうち、一般に冷凍領域として扱われるのが-18℃以下のF級・SF級です。境界の温度を含む区分が重ならないよう、正式な範囲を確認しておきましょう。

区分温度帯
F1級-24℃を超え、-18℃以下
F2級-30℃を超え、-24℃以下
F3級-35℃を超え、-30℃以下
SF1級-40℃を超え、-35℃以下
SF2級-45℃を超え、-40℃以下
SF3級-50℃を超え、-45℃以下
SF4級-50℃以下

F1~F3級の冷凍温度帯

F級は、-18℃以下から-35℃を超える範囲までを3段階に分けた温度帯です。F1級は-24℃を超え-18℃以下、F2級は-30℃を超え-24℃以下、F3級は-35℃を超え-30℃以下と定められています。

冷凍食品をはじめ、さまざまな冷凍品の保管に利用される領域ですが、どの級を選ぶかを商品名だけで決めることはできません。同じ冷凍食品でも、製造者が指定する保存温度や商品特性、保管期間などによって適した条件が異なるためです。

そのため、倉庫へ保管を依頼する際は「F級に対応しているか」だけではなく、商品に必要な温度を具体的に伝える必要があります。冷凍倉庫ごとに対応可能な温度帯は異なるため、契約前に保管条件をすり合わせることが大切です。

F3級より低いSF1~SF4級

SF級は-35℃以下の領域をさらに4段階に分けた区分です。SF1級は-40℃を超え-35℃以下、SF2級は-45℃を超え-40℃以下、SF3級は-50℃を超え-45℃以下、SF4級は-50℃以下となっています。

F級より低い温度を維持するには、それに対応した冷却設備が必要になります。そのため、すべての冷凍倉庫がSF1~SF4級まで対応しているわけではありません。-40℃以下や-50℃以下での保管が必要な場合は、希望する温度に対応できる設備があるかを個別に確認する必要があります。

なお、「超低温」という言葉が指す範囲は資料や事業者によって異なります。SF級全体を一律に超低温と捉えるのではなく、必要な温度を具体的な数値で示して委託先を探す方が確実です。

冷凍倉庫と冷蔵倉庫の違い

一般的には、凍結した状態の商品を低温で保管する施設を「冷凍倉庫」、商品を凍結させず低温で保管する施設を「冷蔵倉庫」と呼び分けることがあります。ただし、倉庫業における「冷蔵倉庫」は、低温で物品を保管する営業倉庫の区分であり、C級だけでなくF級・SF級も含まれます。

現在の温度帯区分では、C1級が-18℃を超え-10℃以下、C2級が-10℃を超え-2℃以下、C3級が-2℃を超え+10℃以下です。F1級以下は-18℃以下となるため、一般的な呼び方ではこの境界を冷蔵と冷凍の目安として捉えやすくなります。

比較項目一般に冷蔵と呼ばれる領域一般に冷凍と呼ばれる領域
主な区分C1~C3級F1~F3級・SF1~SF4級
温度帯-18℃を超え+10℃以下-18℃以下
主な用途凍結させず低温で保管する商品凍結状態で保管する商品

実務では、「冷蔵倉庫か冷凍倉庫か」という名称だけで委託先を判断しないことが重要です。商品によって必要な保存温度は異なるため、保管条件を数値で示し、それに対応できる庫室があるかを確認する必要があります。

また、冷蔵・冷凍の両方の商品を扱う企業では、複数の温度帯へ対応できるかも選定材料になります。商品ごとに適した環境を用意できる倉庫であれば、温度帯が異なる商品をまとめて相談しやすくなります。

冷凍倉庫で保管される主な食品

冷凍倉庫では、冷凍食品をはじめ、畜産物や水産物などさまざまな食品が保管されています。ただし、同じ「冷凍品」であっても必要な温度は一律ではありません。商品の表示や製造者が指定する条件を優先し、それぞれに合った温度環境で保管することが基本となります。

冷凍食品・アイスクリーム類

調理済みの冷凍食品や冷凍パン生地などは、冷凍倉庫で扱われる代表的な商品です。日本冷凍食品協会では、冷凍食品の品質を保つため、製造・流通・販売を通じて品温を-18℃以下に維持する基準を設けています。

アイスクリーム類についても、商品には「要冷凍(-18℃以下保存)」などの保存方法が表示されています。温度が大きく変化すると商品の状態に影響する場合があるため、保管中だけでなく、荷受けや出荷の際にも温度変化を抑えることが重要です。

ただし、冷凍食品と一口にいっても商品ごとに保存条件は異なります。倉庫へ保管を依頼する場合は、商品の表示や仕様書に記載された温度条件を事前に共有し、対応可能な庫室へ保管してもらう必要があります。

冷凍畜産物

冷凍された食肉や畜産加工品も、冷凍倉庫で取り扱われる代表的な食品です。冷蔵倉庫では畜産物が主要な保管品目の一つとなっており、凍結した商品については必要な温度帯で保管されます。

ただし、食肉であればすべて同じ温度で保管すればよいわけではありません。商品の加工状態や包装、保存期間、製造者が定める条件などによって、適切な保管方法は変わります。

冷凍畜産物を委託する場合も、品目名だけでなく保存温度や荷姿などの情報を伝えることが重要です。倉庫側と条件を共有しておくことで、保管開始後の温度や取り扱いに関する認識のずれを防ぎやすくなります。

冷凍水産物

魚介類や水産加工品も、冷凍倉庫で多く保管されています。一般的な冷凍水産物ではF級の温度帯が利用される場合がありますが、魚種や加工状態、保管期間などによって適切な温度は異なります。

なかでも冷凍マグロは、品質を維持するために一般的な冷凍食品よりも低い温度で保管される代表例です。日本冷蔵倉庫協会では、マグロを-50℃以下で保管する理由を紹介しており、実際に-50℃を下回る環境で冷凍マグロを保管する施設もあります。

そのため、水産物を保管する際は「冷凍倉庫だから対応できる」と判断せず、対象商品に必要な温度まで対応できるかを見る必要があります。とくに冷凍マグロなど低い温度を必要とする商品では、SF級の対応範囲が重要な判断材料になります。

冷凍倉庫を選ぶ際のポイント

冷凍倉庫を選ぶ際は、設定できる温度だけでなく、商品を預けてから出荷するまでの管理方法も重要です。温度条件を満たす設備があっても、実際の運用が自社の商品や出荷条件に合わなければ、安定した物流体制にはつながりません。比較する際は、次の4点を見ておきましょう。

  • 取扱商品に合う温度帯
  • 入出庫時の温度管理
  • 庫内温度の監視・記録体制
  • 配送までの対応範囲

商品情報や物量、配送条件などを具体的に伝え、設備と運用の両面から委託先を比較することが大切です。

取扱商品に合う温度帯

まず確認したいのは、自社の商品に必要な温度帯へ対応できるかどうかです。同じ冷凍倉庫でも、F級までの施設とSF級の低い温度帯まで対応する施設では、受け入れられる商品の条件が異なります。

確認する際は「冷凍品です」とだけ伝えるのではなく、必要な保管温度を数値で共有しましょう。あわせて、保管する商品の種類や数量、荷姿、利用期間などを伝えることで、倉庫側も適した庫室や保管方法を判断しやすくなります。

季節商品や繁忙期に物量が大きく増える企業では、通常時の在庫量だけではなく、最大保管量についても伝えておくことが大切です。必要な温度帯とスペースの両方を満たせるかを事前にすり合わせておきましょう。

入出庫時の温度管理

冷凍品は、庫内で保管されている時間だけでなく、入荷や出荷の作業中にも外気の影響を受けます。扉を長時間開放したり、庫外へ商品を長く置いたりすると温度が上がる可能性があるため、荷役をどのように行うかも重要です。

委託先を選ぶ際は、荷受けから庫内へ移動するまでの流れや、出荷準備を行う場所、扉の開閉を抑える運用などを聞いておきましょう。前室やエアカーテンなど、外気の流入を抑える設備が設けられている倉庫もあります。

設備の有無だけで判断せず、入出庫時にどのような手順で商品を扱っているかを見ることがポイントです。荷受け時に商品の温度などに異常があった場合の連絡方法も決めておくと、対応時の認識を合わせやすくなります。

庫内温度の監視・記録体制

保管中の温度を適切に維持するためには、庫内温度をどのように測定・管理しているかも重要です。温度計による確認に加えて、継続的に温度を記録する仕組みを導入している倉庫もあります。

委託先を比較する際は、温度をどの程度の頻度で確認しているか、記録を保存しているか、設定範囲から外れた場合にどのような対応を取るかなどを聞いておきましょう。取引先から温度履歴の提出を求められる企業であれば、必要な記録を提供してもらえるかも判断材料になります。

また、冷却設備の故障や停電などが発生した場合の連絡・対応体制も重要です。自社で求める管理水準がある場合は、契約前に必要な記録内容や報告方法を伝え、対応できるかをすり合わせておく必要があります。

配送までの対応範囲

冷凍商品は、倉庫から出庫した後も納品先まで必要な温度条件を維持する必要があります。保管だけを依頼する場合と、配送までまとめて委託する場合では、必要な物流体制も異なります。

配送まで依頼するのであれば、冷凍品に対応できる車両があるか、希望する配送エリアや納品時間へ対応できるかを確認しましょう。店舗や取引先ごとに納品条件が決められている場合は、その内容も事前に共有しておくことが大切です。

保管と配送を別の会社へ依頼する場合は、倉庫から運送会社へ商品を引き渡す際の流れも確認する必要があります。保管から積み込み、輸送、納品までを一連の流れとして考え、途中で温度管理が途切れない体制を組むことがポイントです。

まとめ | 冷凍倉庫は商品に合う温度帯で選ぶことが大切

一般に冷凍倉庫と呼ばれる温度帯は-18℃以下が一つの目安で、現在の冷蔵倉庫の温度区分ではF1~F3級に加え、さらに低いSF1~SF4級が設けられています。ただし、必要な保存温度は商品によって異なるため、「冷凍対応」という名称だけで委託先を選ぶのは適切ではありません。

冷凍倉庫を比較する際は、商品に合う温度帯に加えて、入出庫時の取り扱い、庫内温度の監視・記録、配送までの対応範囲を確認することが大切です。

当社の城南島物流センターには冷凍倉庫があり、冷凍商品の保管・配送を含めたご相談を承っています。短期・長期の保管についてもご相談いただけますので、冷凍商品の保管先や配送体制をお探しの際は、八大までお気軽にお問い合わせください。