Special Talks
社長対談 Vol.4
第四回目は、対談相手は人形町商店街青年部会長の山田茂さん。今回は弊社も加入している商店街の代表者との対談で弊社の歴史や地域活動をご紹介します。
※弊社は日々新しいチャレンジをしています。その取り組みを弊社代表の岩田と協力企業様と対談により紹介していきます。
八大の歴史と地元貢献の始まり
岩田:
いきなりですけど「わしや」って鷲を売っているのですか(笑)。
山田:
それある意味正解! 先代が趣味で狩りをやっていたのですが、商売を始めようとした時、一般的に捕まえることが難しい鷲を捕まえました。これは“縁起が良い!“ということで「わしや」にしたそうです。私で4代目。人形町を地場に商売を続けてきました。その縁もあり商店街組合には若い時から加入しています。自分のできる範囲で社会に貢献していきたいと考えてのことです。
岩田:
なんと、鷲が正解!
八大は八大竜王という龍神様から名前をお借りしたのが由来。この人形町エリアで盛んだった紙や陶器を運ぶことを地元の人たちで行ったのが始まりです。私も人形町生まれの人形町育ち、3代目です。お陰様で創業から80年もたちました。ご存じの通り、世間に紙が減ってきたので商材を花や食品などその時々で事業を変えてきました。
山田:
時流に合わせて事業変えていくのはさすがです。
たしかお祭りの機材を運ぶ仕事を依頼したのがきっかけで人形町商店街に加入してくださったのですよね。
岩田:
はい、人形町の同級生から声をかけてもらいました。その頃CSRの文脈で地域貢献に目を向けていたのですぐにお手伝いしよう思いました。他にも例えば子どもの夢を応援するNPO団体の支援として、子ども達の絵を弊社のトラックにプリントする活動なども行っていました。
山田:
八大のホームページに載っているパッケージトラックのことですね。映えるなぁと感じていました。
地域貢献・CSRの意味
岩田:
そういえば、企業の社会的責任って何だろうと悩んでいた時期でもありましたね。
山田:
どんなことを考えていたのですか。
岩田:
「CSR=ボランティア」というイメージが強く、ボランティア活動が「社会貢献活動をしている企業」というブランディング・PR目的になっていることが気になっていました。世間でもそれを問題視されはじめていたころです。
山田:
ああ、全く違う分野における慈善活動によって企業のマイナスイメージを払拭しようとするのは企業の利益になる。それは社会の永続的な持続に反すると考えたのですね。
岩田:
そもそもCSRの解釈が間違っているのだけなのですが。今でもCSR活動・その一環としてサスティナビリティはどうすべきか模索しています。特に中小の物流会社でのCSRは難しい。
山田:
岩田さんの良いところは「トラックみたいに突き進んでいく推進力」でしょう! もともと飲食店や小売が多い商店街組合に物流という新業態が入ってきて活性化されたと思う。その後一般企業が加入も増え始めたし、既存の会員も良い刺激をもらっています。ある意味「持続可能な経済成長や働き甲斐ある雇用」を作っているのでは? SDGsに強引に当てはめてみる(笑)。
岩田:
トラック見たいに突き進む! もちろん悩んで止まっていることはありません!
SDGsは何かしら当てはまるから、企業はそれを免罪符にして当たり前のように経済活動を優先するという見方もあるみたいですからね。「社会に良いことしている」と自己満足をしてしまい本質は思考停止状態。
できることからやってみる
山田:
地域貢献・ボランティアって経済活動だけでは得られない人と人の信頼が形成できると思っています。地域貢献という自分の世界が一つ増えることで自身の強さになっている。まわりにも良い影響を与えると思います。過去に八大が柔軟に商材を変えてきたのも分野を問わず広く人脈を作ってきたからこそ成しえたのでしょう。
岩田:
おっしゃるとおりですね。今は迷いなく走り続けています。地域貢献が自己満足でもいい。できることから全力やってみる。そう考えて個人でもPTA活動やNPO活動など微力ながら色々やってきました。物流業界としては“物流インフラ整備”、“CO2削減”などSDGsの基本的要素に絡むことばかりです。業界団体として行っている「ホワイト物流」や「グリーン経営認証」にも参画しています。私自身がトラック協会に積極的に参加しているのは、サスティナブルな世界の実現を業界全体として進めなければならないと考えていることも一つの理由です。
山田:
なんだか哲学的になってきたなぁ。結局、何事も目の前のことを真摯に取り組むことから始まる。
岩田:
ほんとそうだと思いますよ。
「褒められたいから行う慈善活動」は、誰かを助けた時に“ありがとう”と言ってもらい、自分がいい気分になりたい事と同じ。本当の利他ではないかもしれないけど、この自分の気持ちの状態を理解していれば良いのではないでしょうか。
山田:
なるほど。我々は君子ではないから邪念があるのは当然ですものね。なんだか、また新しい活動をやりたくなってきました。また協力してください!
岩田:
こちらこそ。お互い与えられた役割を精一杯精進していきましょう!
PROFILE
人形町商店街協同組合青年部会長
人形町「わしや」オーナー 山田 茂
日本橋人形町にある昭和5年開店の漬物・惣菜を中心とした総合食品店。自家製のべったら漬が人気。