倉庫保管料の相場はいくら?料金の計算方法や費用を抑えるポイントを解説
「外部倉庫へ商品を預けたいものの、保管料の相場が分からない」「見積もりを取ったが、提示された金額が適正なのか判断しにくい」と悩んでいませんか。倉庫保管料は一律ではなく、立地や保管する荷物の量、料金の計算単位、温度管理の有無など、さまざまな条件によって変わります。
また、倉庫を利用する際には、保管料だけでなく、入出庫やピッキング、梱包、配送などに別途費用がかかる場合もあります。保管料の単価だけで比べると、想定していた物流費との差が生じることもあるため、料金の仕組みを知ったうえで比較することが大切です。
この記事では、倉庫保管料の相場をはじめ、主な料金体系や計算方法、保管料以外にかかる費用、料金を左右する要因、費用を抑えるポイントまで解説します。倉庫への保管委託や物流体制の見直しを検討している企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。
倉庫保管料の相場

倉庫保管料は、立地や設備、保管方法などによって差があるため、全国一律の金額ではありません。相場を見るときは、坪単価だけでなく、実際にどの単位で契約するかも確認する必要があります。まずは、物流関連各社が公開している相場情報を参考に、坪単位とパレット単位の目安を見ていきましょう。
地域別に見る坪単価の目安
倉庫保管料を坪単位で見る場合、月額で1坪あたり数千円程度を目安とする例があります。物流関連各社が公開している相場情報の一例では、地域ごとの目安は次のとおりです。
| 地域 | 月額の坪単価目安 |
| 東京23区 | 4,500~7,000円程度 |
| 東京23区外 | 3,500~4,000円程度 |
| 千葉 | 3,000~4,000円程度 |
| 近畿 | 3,700~4,500円程度 |
| 中部 | 3,500~4,000円程度 |
| 福岡 | 2,700~3,500円程度 |
上記はあくまで公開されている相場情報をもとにした参考値です。同じ地域でも契約面積や設備、保管条件などによって実際の料金は変わるため、相場だけで利用先を判断するのは適切ではありません。自社の物量や保管条件を伝えたうえで、個別の見積もりを確認することが大切です。
パレット単位で見る保管料の目安
パレット単位で料金を設定する倉庫もあります。公開されている料金情報では、常温保管で1パレットあたり月額2,000~3,500円程度を目安とする例があります。ただし、公開情報によって示される金額には幅があり、すべての倉庫に当てはまる相場ではありません。
実際の金額は、パレットの寸法や積み付け高さ、ラックの使用条件、倉庫の立地などによって変わります。冷蔵・冷凍といった温度管理が必要な場合も料金条件が異なるため、参考値だけで判断せず、自社の商品や荷姿に合わせた見積もりを確認しましょう。
倉庫保管料の料金体系と計算方法
倉庫保管料を比較するには、「何を基準に料金を計算するのか」と「どの期間を単位として料金を算出するのか」を分けて考える必要があります。同じ物量でも料金体系が違えば請求額が変わることがあるためです。見積書では、単価だけでなく算定単位や計算期間まで確認しておきましょう。
保管量を基準にした料金単位
保管料の算定には、坪数、パレット数、商品個数、容積、重量などが使われます。どの方式が適しているかは、荷物の大きさや数量、保管方法によって異なります。異なる料金単位の見積もりを単価だけで比べないよう、代表的な方式と基本的な考え方を押さえておくことが大切です。
坪建て
坪建ては、使用する倉庫面積に坪単価を掛けて保管料を算出する方法です。たとえば坪単価が5,000円で10坪を使用する契約であれば、単純計算では月額50,000円となります。
荷物の個数ではなく、使用するスペースを基準に料金を決める点が特徴です。一定の面積を継続して使う場合などに採用されますが、契約面積を基準とするのか、実際の使用面積をもとに算出するのかは契約によって異なります。見積もり時に算定条件を確認しておきましょう。
パレット建て
パレット建ては、使用するパレット数に1パレットあたりの単価を掛けて料金を算出する方法です。たとえば1パレットあたり月額3,000円で10パレットを保管する場合、単純計算では30,000円となります。
荷物をパレット単位で管理する企業にとって、保管量を把握しやすい方式です。ただし、使用できるパレットの寸法や積載高さ、ラックの利用条件などは倉庫によって異なります。何を1パレットとして料金計算するのかを契約前に確認する必要があります。
個建て
個建ては、商品やケースなど1個あたりの保管単価を設定し、保管数量に応じて料金を算出する方法です。同じ規格の商品を多数扱う場合など、数量を基準に保管量を管理しやすいケースで利用されます。
一方、商品の大きさに差がある場合は、同じ1個でも必要なスペースが異なります。そのため、商品単位なのかケース単位なのかなど、何を「1個」として数えるのかが重要です。料金を比較するときは、単価だけでなく計算対象となる荷姿まで確認しましょう。
容積建て・重量建て
容積建ては荷物の縦・横・高さから求めた容積を基準に、重量建てはkgやtなどの重量を基準に保管料を算出する方式です。個数やパレット数より、荷物が占める空間や重さを基準にした方が実態に合う場合に用いられます。
容積建てではm3、重量建てではkgやtなどが計算単位として使われます。ただし、算定方法や端数の扱いなどは倉庫によって異なるため、実際の見積もりでは計算ルールまで確認しておくと安心です。
保管期間による計算方法
個建てなどでは、1か月をいくつの期間に区切って保管数量を算定するかによって、1期制・2期制・3期制に分けられる場合があります。月の途中で在庫量が変動する企業では、期間の区切り方によって請求額も変わる可能性があります。なお、具体的な保管数量の算定方法は契約によって異なります。
1期制
1期制は、1か月を1つの期間として保管料を算定する考え方です。期間を細かく分けないため仕組みは比較的分かりやすいものの、どの時点の在庫数量を基準にするかなど、具体的な計算方法は契約条件によって異なります。
月の途中で在庫が大きく動く企業では、実際の荷動きと請求額の感覚に差が出ることもあります。1期制という名称だけで判断せず、どの数量を基準に料金を計算するのかまで確認しましょう。
2期制
2期制は、1か月を2つの期間に分けて保管料を算定する方式です。一般的には、1日~15日と16日~月末の2つに区切る例があります。
1期制より短い期間ごとに保管数量を反映できるため、月内で在庫量が変わる企業では実態に合わせやすくなります。ただし、すべての倉庫が同じ区切り方や計算式を採用しているとは限りません。対象期間と各期の算定基準を確認することが重要です。
3期制
3期制は、一般的に1日~10日、11日~20日、21日~月末の3つに期間を分けて保管料を算定する方法です。個建てなどでは、各期の保管数量を「前期末在庫数+今期入庫数」として計算し、保管単価を掛ける方式が採用されることがあります。
入出庫が多い企業では、月末時点の在庫数だけを見ても実際の請求額を判断できない場合があります。算定式は契約先によって異なる可能性があるため、自社の在庫推移をもとに試算してもらうと分かりやすいでしょう。
倉庫利用で保管料以外にかかる費用

物流倉庫の見積もりでは、保管スペースの料金だけを見ても利用時の総額は分かりません。商品の入荷から出荷までを委託すると、管理や荷役、検品、梱包、配送などにも費用が発生する場合があります。どの作業が保管料に含まれ、どこから別料金になるのかを見積書で確認することが重要です。
基本料・システム利用料など
倉庫によっては、保管料とは別に基本料や業務管理料、在庫管理システムなどの利用料が設定されている場合があります。料金項目の名称や含まれる業務は事業者ごとに異なるため、見積書に記載された項目の内容を確認しておきましょう。
月額固定で発生する費用がある場合は、物量が少ない月でも一定額の負担が生じます。固定でかかる料金と、保管量や作業量に応じて変わる料金を分けて見ることで、毎月の費用を想定しやすくなります。
入出庫・荷役にかかる費用
商品を倉庫へ受け入れる入庫作業や、出荷時に商品を搬出する作業には、入庫料・出庫料・荷役料などが設定されることがあります。料金単位はパレットやケース、商品個数などさまざまで、荷姿や契約内容によって変わります。
また、フォークリフトを使った荷役やコンテナから商品を取り出す作業など、通常とは異なる対応が必要な場合は、追加費用が発生することもあります。入庫時と出庫時の荷姿を具体的に伝え、必要な作業を見積もってもらいましょう。
ピッキング・検品の作業費
注文内容に合わせて商品を取り出すピッキングや、品名・数量・状態などを確かめる検品にも作業費が設定されることがあります。料金単位は1個、1ケース、1オーダーなど倉庫によって異なり、検品の内容によって料金が変わる場合もあります。
多品種の商品を少量ずつ出荷するケースでは作業回数が増えやすいため、1回あたりの単価だけでは月額費用を判断しにくくなります。月間の注文数や出荷明細数などを共有し、実際の運用に近い条件で試算してもらうことが大切です。
梱包・流通加工の作業費
段ボールへの梱包やラベル貼り、値札付け、セット組みなどを委託する場合は、作業費や資材費が発生することがあります。使用する梱包資材や工程、商品の大きさなどによって必要な作業量が変わるため、料金も一律ではありません。
通常の梱包に加えて指定ラベルの貼付や詰め合わせなどが必要であれば、追加の作業費が見積もりに含まれることがあります。希望する加工内容を具体的に伝え、どこまで基本料金に含まれるのかを確認しておきましょう。
配送にかかる費用
倉庫から店舗や取引先までの配送を依頼する場合は、配送料も必要です。金額は配送距離だけで決まるわけではなく、荷物の大きさや重量、使用する車両、納品時間、配送件数などによって変わります。
また、冷蔵・冷凍車など特定の設備を備えた車両が必要な場合や、時間指定などの納品条件がある場合は、通常とは料金条件が異なることもあります。倉庫保管と配送をまとめて依頼する場合でも、どの条件で配送料が決まるのか確認しておきましょう。
倉庫保管にかかる費用を左右する主な要因
同じ広さの倉庫でも、契約条件や扱う商品によって保管にかかる費用は変わります。相場より高いか安いかだけで判断するのではなく、「なぜその金額になるのか」を見ることが重要です。立地や必要な保管スペース、保管環境、荷動きなど、料金差につながりやすい条件を見ていきましょう。
倉庫の立地
倉庫保管料は、土地や建物にかかるコストなどを背景に、立地によって差が出る傾向があります。都市部や物流需要の高い地域では、郊外と比べて坪単価が高くなるケースもあります。
一方、物流に適した立地かどうかは保管料だけでは判断できません。仕入先から倉庫までの距離や、主要な納品先へのアクセスも物流全体に影響します。倉庫を選ぶ際は、保管料の地域差とあわせて、自社の入荷元・納品先との位置関係も考える必要があります。
荷物の量と保管スペース
必要な保管スペースは、荷物の数量だけでなく、大きさや重量、荷姿などによって変わります。同じ商品数でも、パレットへまとめて保管できる商品と平置きが必要な商品では、使用する床面積が異なるためです。
また、積み重ねの可否やラックを利用できるかどうかによっても、スペースの使い方は変わります。倉庫へ見積もりを依頼する際は、在庫数だけでなく、商品の寸法や重量、荷姿なども伝えることで、必要な保管スペースを算出してもらいやすくなります。
常温・冷蔵・冷凍などの保管条件
常温で保管できる商品と、冷蔵・冷凍などの温度管理が必要な商品では、求められる設備が異なります。低温倉庫では冷却設備の運転や温度管理が必要になるため、一般的な常温倉庫と料金条件が異なる場合があります。
食品などを預ける際は、「冷凍倉庫がある」という情報だけで判断せず、自社の商品に必要な温度帯へ対応しているかを確認することが重要です。保管中だけでなく、入出庫時の商品管理まで含めて、必要な条件を事前に伝えておきましょう。
入出庫の頻度と作業内容
平均的な保管量が同程度でも、入出庫の回数や委託する作業によって、倉庫利用全体にかかる費用は変わります。商品を長期間保管するケースと、毎日のように入出庫やピッキング、発送が発生するケースでは、必要な作業量が異なるためです。
見積もりを依頼する際は、月間の平均在庫量だけでなく、入庫回数や出荷件数、出荷明細数なども伝えましょう。実際の荷動きに近い条件を共有することで、利用開始後の費用との差を抑えやすくなります。
倉庫保管料を抑えるポイント

倉庫保管料を抑えるには、単価の安い倉庫を探すだけでは不十分です。在庫の持ち方や委託範囲、倉庫の立地によっては、保管料を下げても物流費全体が増える場合があります。費用を見直す際は、次の4つのポイントを自社の物流条件に照らして検討しましょう。
- 在庫量と保管スペースの適正化
- 必要な委託業務の見直し
- 物流費全体での比較
- 同じ条件での複数社への見積もり
保管料だけを部分的に下げるのではなく、商品の入荷から納品までにかかる費用や社内の作業負担まで含めて考えることが、無理のないコスト見直しにつながります。
在庫量と保管スペースの適正化
長期間動いていない在庫や必要以上の安全在庫が多いと、使用する保管スペースも増えやすくなります。まずは商品の出荷実績や在庫回転を見ながら、現在の在庫量が販売状況や事業計画に合っているかを見直すことが大切です。
また、荷姿や保管方法を変更することで、使用するスペースを抑えられる場合もあります。坪建てやパレット建てなど、保管スペースが料金に反映される契約では、不要な在庫を減らし、保管量を適正化することが料金の見直しにつながります。
必要な委託業務の見直し
物流会社へ任せる業務が増えると、その内容に応じて作業費が加わる場合があります。そのため、現在委託している業務を見直し、自社で行う方がよい作業と外部へ任せた方がよい作業を分ける方法もあります。
ただし、料金を下げることだけを目的に業務を自社へ戻すと、人員の確保や作業場所、資材管理などに別のコストが生じる可能性があります。費用だけでなく社内の作業負担も比べながら、自社に合った業務分担を考えることが重要です。
物流費全体での比較
倉庫選びでは、保管料だけでなく配送費や荷役費、作業費などを含めた物流費全体で比較しましょう。たとえば坪単価の安い倉庫へ移しても、主要な納品先までの配送距離が長くなれば、輸送費の増加によって総額が高くなる可能性があります。
反対に、保管料がやや高くても、配送先に近く輸送を組みやすい倉庫であれば、物流費全体では負担を抑えられる場合もあります。入荷、保管、倉庫内作業、出荷、配送まで一連の流れで費用を試算し、部分的な単価だけで判断しないことがポイントです。
同じ条件での複数社への見積もり
複数の倉庫会社を比較する際は、物量や保管期間、入出庫頻度、必要な作業内容など、できるだけ同じ条件を提示して見積もりを依頼しましょう。条件が異なるままでは、総額を並べても料金差の理由が分かりにくくなります。
あわせて、「保管料に何が含まれているか」「どの作業から追加料金になるか」といった契約条件も確認が必要です。月間の平均在庫量や最大在庫量、入出庫数などを具体的に伝え、同じ前提で比較することで、自社に合った委託先を判断しやすくなります。
まとめ | 倉庫保管料は条件と料金の内訳を比べることが大切
倉庫保管料は、立地や保管スペース、料金単位、温度帯などによって変わるため、公開されている相場だけで利用先を決めるのは適切ではありません。坪建てやパレット建てなどの算定方法に加え、入出庫、ピッキング、梱包、配送などの付帯費用まで含めて比較することが大切です。
費用を見直す際は、在庫量や委託範囲を調整しながら、物流費全体で複数社の見積もりを比べましょう。料金だけでなく、必要な保管環境や作業、配送まで対応できるかを見ることで、実際の運用に合った倉庫を選びやすくなります。
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