物流業界における「2024年問題」(前編)
ロジスティクスマネジメント/マネジメントの視点_202207
今回は2024年問題の「前編」として記述します。
働き方改革関連法の猶予期間も残すところ、あと約1年9か月となりました。
各社ともに企業努力・改革等の取り組みをされていると思いますが、まずは
問題点のおさらいとその対応策について、述べさせてもらいます。
2024年問題とは?
働き方改革関連法に伴う「時間外労働時間の上限規制」
- 大企業では2019年4月~
- 中小企業では2020年4月~それぞれ施行されています。
運送事業会社においては、施行から5年間の猶予期間にて【適用】となります。
概要
2024年4月1日から「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」が適用されることで運送・物流業界に生じる諸問題を意味します。
具体的には、トラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間※に制限されます。
※年間時間外労働時間の上限が960時間(特別条項付き36協定を締結する場合)に制限されます。
運送事業における課題 ・・・法令の適用による課題考察
課題点 | 運送事業会社 | 従業員 |
---|---|---|
運行労働時間(稼働時間)の上昇 | 売上減少 | 収入減少 |
人件費(労務費)の上昇 | 利益減少 | 同一賃金 |
荷量(取扱い量)の減少 | 積載量減少 | – |
但し、全ての運送事業会社が上記の条件とは限らない点があります。
下記に述べる点で運送事業体により、影響の大小があります。
「事業体分類」
- 長距離輸送・・・いわゆる幹線を主な事業体としている事業会社
- 中短距離・・・・・エリア配送(地場配送)の事業会社
- 軽貨物輸送・・・宅配等の限定エリアとした事業会社
上記の課題において影響があるのは、順番通りの長距離輸送に関する事業体が
その影響が大きいです。中短距離事業体も同等な改善が求められます。
軽貨物輸送においては、個人事業主への転嫁により、労働時間等の緩和と対策は
比較的に移行はしやすい状況でもあります。
次回、7月29日アップ予定の後編では、①②の事業体への「解決・対応策」について
具体的な施策を述べたいと思います。