物流業界における「2024年問題」(後編)
ロジスティクスマネジメント/マネジメントの視点_202208
2024年問題に向けた業界対策
前編では、この問題の概要を主に述べましたが、後編はその【施策】を考えてみましょう。
①標準運賃の再検(見直し)と物流DXによる作業工数・コスト全般の最適化
施策:労働力の維持と作業面のデジタル化による収益性の確保及び工数平準化
- 「ムリ」 →運賃(標準運賃)を見直し、収益面のコスト構造への強化と離職率低減を図る
- 「ムラ」 →作業全般をアナログよりデジタルに置き換えて時間工数を軽減
- 「ムダ」 →業務平準化を図ることで、経験値に左右されない作業工数の可視化
②労働力不足対策
施策:離職率の抑制
- 労働環境の整備 →労働時間の安定と安心して働ける環境の場を提供
- 同業他社との共同配送化 →労働時間と積載量の按分で双方のリソースを最適化
- 職場環境(条件等)の整備 →DX化による労働者側への負担軽減、属人化撤廃
③持続可能な取引関係への構築
- 固定観念による慣習の見直しや基本的な賃金の浸透などホワイト化に向けた施策
- 協力会社とのエリア単位による共同配送事業
- 倉庫区画のシェアリング(閑散・繁忙時期でのスペース効率)
- 拠点の整備、機械化・省人化、業務平準化
- 若年層または女性やシニア、外国人材の活躍できる職場環境の整備
上記項目での「追及すべき優先」の対策は3点
- DX化による業務効率の追及
- 運賃、業務委託費と業務標準化による業務効率の追及
- 労働環境の改善と情報統制の追及
まとめ
定量面は請負、受託をしている「業態・形態」の違いにより、効果面の数値は労務費・設備費・インフラ費用などで格差はあると思います。
しかし、2024年問題は共通した課題により、できる範囲からの取り組みでこの問題をクリアし、労働力の更なる安定を図り、安心して働くことができる環境が2024年以降の継続可能な事業の発展となります。