常温倉庫とは?定温倉庫との違いや保管に適した商品を解説
「自社の商品は常温倉庫で保管しても問題ないのか」「定温倉庫や冷蔵・冷凍倉庫とは何が違うのか」と迷っていませんか。倉庫は空いているスペースだけで選ぶのではなく、商品の性質に合った保管環境かどうかを見極めることが大切です。
一般的な常温倉庫は、庫内を一定の温度に保つことを前提とせず、季節や外気温の影響を受けやすい倉庫です。そのため、厳密な温度管理を必要としない商品に向いていますが、保管する商品によっては温度変化や湿気への配慮も必要になります。
今回の記事では、常温倉庫の特徴や温度の考え方、定温・冷蔵・冷凍倉庫との違い、保管に適した商品の例、利用時のメリットや注意点、倉庫を選ぶポイントまで解説します。商品の保管方法や外部倉庫の利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
常温倉庫とは

常温倉庫は、一般的に空調設備などで庫内温度を一定に保つことを前提としない倉庫です。温度管理設備を備えた定温・冷蔵・冷凍倉庫とは保管環境が異なるため、利用する際は商品の性質との相性を見る必要があります。まずは、常温倉庫の基本的な特徴と温度の考え方から見ていきましょう。
温度調整を基本的に行わない倉庫
一般的な常温倉庫では、冷蔵・冷凍倉庫のように冷却設備を使って庫内を一定の低温に維持することを基本的に想定していません。厳密な温度管理が不要な商品を保管する際に利用されることが多く、さまざまな物品の保管先として活用されています。
一方、一定の温度を保たなければ品質や状態が変化しやすい商品には、定温・冷蔵・冷凍など別の保管環境が必要になる場合があります。常温倉庫を利用できるかどうかは、「冷蔵や冷凍が不要か」だけで判断せず、商品の仕様やメーカーが指定する保管条件を基準に考えることが大切です。
常温倉庫の温度の考え方
「常温倉庫は何℃なのか」と気になる方もいるかもしれませんが、倉庫業法で常温倉庫の温度が一律に定められているわけではありません。冷蔵倉庫については10℃以下という基準がありますが、常温倉庫では建物の構造や立地、季節などによって庫内温度が変わります。
そのため、「常温だから一年中同じ温度」と考えるのは適切ではありません。夏季には庫内温度が高くなり、冬季には低くなることもあります。保管する商品に温度の上限・下限が設定されている場合は、想定される庫内環境が条件を満たせるか、倉庫事業者へ相談したうえで判断するとよいでしょう。
常温倉庫と定温・冷蔵・冷凍倉庫の違い
倉庫は温度管理の方法によって、常温・定温・冷蔵・冷凍などに分けて考えられます。違いを見る際は、単純な温度の高低だけでなく、「一定の温度を維持する必要があるか」「どのような商品を保管するか」という視点が重要です。まずは、それぞれの特徴を表で比較してみましょう。
| 倉庫の種類 | 温度管理の特徴 | 主な用途 |
| 常温倉庫 | 一定温度への調整を基本的に行わない | 厳密な温度管理を必要としない商品の保管 |
| 定温倉庫 | 設定した温度帯を一定範囲に保つ | 大きな温度変化を避けたい商品の保管 |
| 冷蔵倉庫 | 10℃以下の低温で管理する | 低温管理が必要な食品などの保管 |
| 冷凍倉庫 | 冷蔵倉庫の中でも、より低い温度帯で管理する | 冷凍食品など凍結状態で保管する商品の保管 |
表だけでは分かりにくい違いについて、それぞれもう少し詳しく見ていきます。
定温倉庫との違い
定温倉庫は、庫内をあらかじめ設定した一定の温度帯に保つ倉庫です。常温倉庫のように外気温の影響を受けやすい環境とは異なり、空調設備などを使って温度変化を抑えながら保管します。
ワインや一部の原材料など、冷蔵するほど低い温度は必要ないものの、大きな温度変化を避けたい商品では定温保管が選ばれることがあります。ただし、定温倉庫の設定温度は施設や保管品によって異なるため、「定温倉庫は○℃」と一律に決められるものではありません。
常温倉庫との大きな違いは、設定した温度帯を維持するための設備や運用があるかどうかです。
冷蔵倉庫との違い
冷蔵倉庫は、倉庫業法上、冷蔵室の保管温度を常時10℃以下に保つ倉庫です。水産物や畜産物、農産物、冷凍食品など、低温管理が必要な物品を保管するために使用されます。
常温倉庫との違いは、低温を維持するための冷却設備や温度管理が必要になる点です。常温倉庫はそのような低温管理を前提としていないため、冷蔵が必要な商品を同じ条件で保管することはできません。
実際に必要な保管温度は商品によって異なります。倉庫の名称だけで判断するのではなく、商品ごとに指定された温度帯に対応できるかを見ることが重要です。
冷凍倉庫との違い
冷凍倉庫は、一般的な呼び方として、冷蔵倉庫の中でもさらに低い温度帯で冷凍食品などを保管する施設を指します。倉庫業法上は10℃以下の倉庫が冷蔵倉庫に含まれ、その中で保管温度に応じた細かな区分が設けられています。
常温倉庫とは設備も用途も大きく異なり、冷凍倉庫では商品を凍結状態で維持するための冷却設備や温度管理が必要です。そのため、冷凍状態を維持する必要がある商品を常温倉庫へ保管することはできません。
冷凍品を扱う場合は、保管時だけでなく入出庫や輸送時にも必要な温度帯を維持できる体制があるかを見ておく必要があります。
常温倉庫での保管に適した商品

常温倉庫は、保管中の温度を厳密に一定へ保つ必要がない商品に向いています。ただし、同じ商品カテゴリーでも材質や包装、メーカーが指定する条件によって適した環境は異なります。商品名だけで常温保管の可否を決めず、個別の仕様を優先することが前提です。代表的な商品を例に見ていきましょう。
紙製品・書籍
紙製品や書籍は、冷蔵・冷凍のような低温環境を必要としないものが多く、常温倉庫で保管されることがあります。段ボールや印刷物、冊子、書籍など、まとまった数量を保管し、必要に応じて出荷する運用にも利用できます。
ただし、すべての紙製品が同じ環境で保管できるわけではありません。製品によって保管条件が指定されている場合は、その条件を優先する必要があります。
特に長期間の保管を予定している場合は、倉庫内でどのような方法で保管するのかも事前に相談しておくと安心です。八大の常温倉庫でも、紙を取扱品の例としてご案内しています。
家具・雑貨
家具や日用品、各種雑貨も、厳密な低温管理を必要としない商品であれば常温倉庫の利用を検討できます。自社内だけでは保管スペースを確保できない場合には、外部倉庫を利用するのも一つの方法です。
家具や雑貨は商品の大きさや形状が幅広く、大型の商品では必要な床面積も大きくなります。また、パレットで保管するのか、棚を使うのかによっても必要なスペースは変わります。
そのため、商品カテゴリーだけで判断せず、サイズや重量、荷姿なども倉庫事業者へ伝えておけば、適した保管方法を相談しやすくなります。
陶器・ガラス製品
陶器やガラス製品は、通常は冷蔵・冷凍による保管を必要としないため、常温倉庫で取り扱われることがあります。食器や花器、ガラス製の雑貨など、一定量をまとめて保管し、注文に応じて出荷する運用にも利用できます。
こうした商品では、温度管理よりも破損を防ぐための荷扱いや保管方法が重要になります。割れ物は、梱包方法や積み重ね方、入出庫時の取り扱いによって破損リスクが変わるためです。
常温で保管できる商品であっても、商品の特性に合った荷扱いができる倉庫かどうかを見る必要があります。八大でも陶器を取扱品の例として挙げています。
機械・部品類
機械や部品類も、メーカーが指定する保管条件の範囲内であれば、常温倉庫を利用できる場合があります。各種部品や設備関連製品などを、納品や出荷まで一時的に保管する用途にも活用できます。
ただし、機械や部品であればすべて常温保管に適しているわけではありません。精密機器や電子部品などには、保管環境が細かく指定されている製品もあります。
そのため、保管前には製品仕様やメーカーの指定条件を確認し、倉庫側の環境で対応できるか相談することが重要です。八大では精密機器も常温倉庫の取扱例としてご案内しています。
常温倉庫を利用するメリット
常温倉庫は、厳密な温度管理を必要としない商品の保管先として幅広く利用されています。また、冷却設備を継続的に稼働させる必要がある冷蔵・冷凍倉庫とは、設備や費用の考え方も異なります。商品の保管条件を満たせることを前提に、常温倉庫を利用する主なメリットを見ていきましょう。
幅広い商品の保管への対応
常温倉庫は、厳密な温度管理を必要としない商品であれば、幅広い品目の保管に利用できます。商品の販売時期まで在庫を置いておきたい場合や、事務所・店舗の保管スペースが不足している場合など、さまざまな用途で活用しやすい点が特徴です。
また、異なる商品を扱っている企業でも、それぞれの保管条件が常温倉庫の環境に合えば、同じ倉庫へまとめられる場合があります。保管場所を集約できれば、在庫管理や出荷業務をまとめて委託しやすくなることもあります。
ただし、常温倉庫だから何でも保管できるわけではなく、商品の仕様や法令上必要な保管条件を満たしていることが前提です。
保管コストを抑えやすい
常温倉庫は、冷蔵・冷凍倉庫のように低温を維持するための冷却設備を継続して稼働させることを基本的に必要としません。そのため、同じ立地や保管条件などで比較した場合には、温度管理が必要な倉庫より保管料金を抑えやすい傾向があります。
ただし、実際の料金は立地、保管面積、荷物の量、保管期間、入出庫作業、設備などによって変わります。常温倉庫を選べば必ず安くなるわけではありません。
必要な保管条件を満たしたうえで、保管料だけでなく入出庫や発送などの費用まで含めた見積もりを比較すると、実際の負担を判断しやすくなります。
常温倉庫を利用する際の注意点
常温倉庫は温度調整を基本的に行わないため、外気や季節の影響を受けやすい点を理解しておく必要があります。特に注意したいのが、夏季・冬季の温度変化と湿気・結露です。長期間保管する場合や環境変化の影響を受けやすい商品では、年間を通した保管環境まで含めて検討しましょう。
夏季・冬季の温度変化
常温倉庫では、庫内温度を一定に保つことを前提としていないため、夏季には温度が上がり、冬季には下がることがあります。屋根や外壁の構造、日射、換気、地域などによっても庫内環境は変わるため、外気温とまったく同じになるとは限りません。
温度変化によって変形・変質しやすい商品や、メーカーから保管温度が指定されている商品では注意が必要です。
年間を通した保管を予定している場合は、夏季・冬季を含めてどの程度の温度になる可能性があるのかを倉庫事業者へ相談するとよいでしょう。一定の温度帯が必要なら、定温倉庫なども比較対象になります。
湿気や結露による影響
常温倉庫では、温度だけでなく湿気や結露にも注意が必要です。気温や湿度の変化によって結露が生じると、紙製品の変形や金属製品のさび、梱包材の劣化などにつながる可能性があります。長期間保管する場合ほど、湿度による影響も考えておきたいところです。
必要な対策は倉庫の構造や商品によって異なります。換気や除湿などの設備・運用が必要になる商品もあるため、湿度の影響を受けやすい場合は事前に相談しましょう。
「常温で保管できるか」だけで判断せず、商品に適した環境が維持できるかまで見ることが大切です。
常温倉庫を選ぶポイント

常温倉庫を選ぶ際は、保管料金だけでなく、自社の商品を扱える環境や必要なスペース、保管後の業務まで見ておくことが大切です。保管だけを任せたいのか、発送や配送まで委託したいのかによっても適した倉庫は変わります。利用開始後の運用まで想定し、主に次の3点から比較してみましょう。
- 取扱商品と保管環境
- 必要な保管スペースと期間
- 入出庫・発送・配送の対応範囲
現在の在庫量だけでなく、繁忙期や今後の物量変化も伝えておくと、継続して利用できる倉庫か判断しやすくなります。
取扱商品と保管環境
最初に見ておきたいのは、自社の商品を取り扱える倉庫かどうかです。「常温保管が可能」という条件だけではなく、商品の材質、重量、サイズ、包装形態、メーカーが指定する温湿度なども倉庫側へ伝える必要があります。
同じ常温倉庫でも、設備や保管方法、対応できる荷姿は異なります。パレット保管が必要なのか、棚に置くのか、床へ直接置けるのかといった条件によっても適した施設は変わります。
商品名だけを伝えるのではなく、保管時に避けたい環境や荷扱い上の条件まで共有しておくと、実際の運用に合う倉庫か判断しやすくなります。
必要な保管スペースと期間
倉庫を選ぶ際は、現在の在庫量に対してどの程度のスペースが必要になるかを見積もっておくと安心です。商品サイズや積み方、パレット保管か棚保管かによっても必要面積は変わるため、単純な坪数だけでは判断できない場合があります。
また、短期の一時保管なのか、継続的な長期保管なのかによって契約条件も変わります。季節商品や繁忙期の在庫増加に備える場合には、物量が増えた際に追加スペースを相談できるかも見ておきたいところです。
八大では5坪から250坪までの貸し切りに対応しており、城南島物流センターでは短期・長期の保管についてもご相談いただけます。
入出庫・発送・配送の対応範囲
外部倉庫を利用するときは、商品を預けることだけでなく、入庫後・出庫後に必要な業務まで考えておくとよいでしょう。発送指示後にピッキングや梱包が必要なのか、そのまま店舗や取引先まで配送してほしいのかによって、委託先に求める体制は変わります。
保管と発送を別々の事業者へ依頼する方法もありますが、複数の工程をまとめて相談できれば、やり取りを減らしやすくなります。
八大では、製品の保管からピッキング、梱包、発送まで対応し、自社車両による都内周辺への配送も承っています。保管後の出荷や配送まで含めて物流を見直したい場合も、ぜひご相談ください。
まとめ | 常温倉庫は商品の特性に合わせて選ぼう
常温倉庫は、一般的に庫内を一定の温度へ調整することを前提とせず、厳密な温度管理を必要としない商品を保管する際に利用される倉庫です。定温・冷蔵・冷凍倉庫とは温度管理の方法が異なるため、商品の性質やメーカーが指定する保管条件に合わせて選ぶ必要があります。
利用時は、夏季・冬季の温度変化や湿気・結露にも注意し、保管料金だけでなく、倉庫環境、必要なスペース、入出庫や発送・配送への対応範囲まで比較するとよいでしょう。
八大では、常温倉庫での製品保管に加え、ピッキング、梱包、発送、自社車両による都内周辺への配送まで承っています。短期・長期の保管や保管スペースをお探しの場合はもちろん、保管後の出荷や配送までまとめて見直したい際も、ぜひ八大までお気軽にご相談ください。