これから予測される業界問題について
ロジスティクスマネジメント/マネジメントの視点VOL.1
これから予測される業界問題について
・運送事業会社の後継者問題
・その対策とあるべき姿
この度、本コラムを開設し執筆することにしました。
その背景には、私が⾧年経験を積ませて頂いた物流業界において、従前から言われていた様々な問題と課題がもう、身近な問題となっている為、その解決に向けた取り組み・考えた方などを皆様にお伝えさせて頂きながら、個々の問題ではなく、業界全体で解決させるプロセスを提言し進めていきたいと思います。
運送事業者の後継者問題
まず、本件の要因起源は何か?・・・
本来、企業組織では、年功序列・順当な昇進による役員または代表と順送りにて組織の活性化が図れると思います。しかし、残念ながら物流事業に携わる企業体では、「カリスマ的な存在」が必要な時代がありました。
その背景には、輸送に関する対応力が求められる「運び方」と「それに準じた報酬」で高収入を望む人材が必要なため、その組織を束ねるには、統制力がある人材が経営者となり、様々の輸送を対応してきたと思います。
では、現在は・・・というと、世代的なギャップと法規制強化により、従前のトップドライバーのような全てが稼げる仕組みは衰退し、前提条件となる「労働基準」がベースとなっている為、後継者がそのカリスマを継承できず、かつ世代的な考え方の違いで経営継承が容易に出来ない「最大の要因」だと思います。
更に業界を希望する採用数の減少もあります。この点は皆さまもご承知の上なので細かい説明は割愛しますが、人口数減少と働ける環境が整備され、新卒又は中途採用者が希望する職種は、様々なジャンルの業種が選べる時代となりました。その余波の影響が、特にドライバー職採用において、打撃的な状態が継続的な経営の妨げとなっていることは、否定できない状態だと思います。
その対策とあるべき姿
現在、上記に述べた各配送事業会社の主な取り組みは・・・
◇有力求人サイトを用いた採用数アップ
◇地域単位での賃金ベースアップによる採用候補数アップ
◇労働時間、福利厚生面の整備による競業他社との差別化 など
いかに応募者側に優位となる「条件」での取り合い状態が現状だと思います。更に採用率と離職率による費用対効果のギャップなど、雇用安定化に向けた取り組みは各社共通した懸念事項となっております。
本来は雇用5年以上の定着で、人的効果である「稼ぎ時期のピーク」があるべき姿であるものの、ピーク時前の離職が企業収益への影響と企業継続への大きな壁となっていることは間違いない現実だと思います。
次回より、具体的な定義・提唱を定量的な数値を用いて、皆様へのサポートなる「情報」をお伝えします。